お施餓鬼について
こんにちは。
連日暑い日が続いています(記事を書いているのは7月20日)
夏になるとお寺や僧侶が慌ただしく動き始めますが、お盆やお施餓鬼の行事の準備をしている事が多い様です。
今回はお施餓鬼について少し書かせて頂きます。
※お施餓鬼会(宗派により施食会)は真宗系の寺院以外で多く営まれます。
筆者が浄土宗の為、少し偏りがあるかもしれませんが大きな心と優しい微笑みで読み流して下さい。
さて、お施餓鬼の起源は『救抜焰口くばつえんく餓鬼陀羅尼経』と伝わります。
ある日お釈迦の弟子である阿難が、口から火を吹き喉が針の様に細い餓鬼から、膨大な数の全ての餓鬼に飲食を施すことができなければお前の命は3日で尽きる。
その後は餓鬼道に落ちて苦しむだろうと言われます。
(スタートが理不尽ですよね…)
阿難は餓鬼に言われた事をお釈迦に伝え相談すると少量の飲食を無限大に変じる無量威徳自在光明殊勝妙力という陀羅尼(変食へんじき陀羅尼に同じ)を授けました。
阿難は多くの僧侶と共に供物を供え陀羅尼を読む事で飲食(おんじき)は無限大増え餓鬼は悉く供養されたとあります。
その功徳もあり阿難はお釈迦の弟子の中で最も寿命が長かったといわれております。
これがお施餓鬼の由来です。
時期は夏に限らずいつお勤めしてもいいのですが私の住んでいる地域では夏に行われる事が多いです。
僧侶にも施す意味から施餓鬼会の後には一緒にお経をあげた僧侶にも飲食を振舞う地域も数多く残っています。
私の地元ではコロナ以前は檀家さんにも軽食を振舞うお寺が何軒かありました。
各お寺にとって最大級の行事であるお施餓鬼で大切なのは「餓鬼に施し」その功徳を「回向」する事にあります。
功徳を回向するとは自分が積んだ良い行いを自分が供養する方に回し向けるという意味です。
昔から故人や御先祖を大切にしていた事の一端が伺える行事でもありますので皆様の菩提寺でお施餓鬼の案内がありましたら是非参加してゆっくり御先祖様方と向き合ってみてはいかがでしょうか。