撫でれる仏様

撫でれる仏様

皆様お久しぶりです。浄土宗の小幡です。

皆様、お寺にお参りした際に全身が赤いお坊さんの像を見たことありませんでしょうか。また、その像を撫でている人見たことないでしょうか。

実はこの像は、賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)と言いまして、お釈迦様の弟子である十六羅漢(じゅうろくらかん)(仏道修行における最高位の1つ)の筆頭です。「びんずるさん」という愛称で親しまれています。説法に優れており、相手が誰であろうとひるむことなく正しいことを言い獅子吼第一と呼ばれるほどでした。また、病気を治す力があるとされ、自分の体の悪い部分と同じところを撫でると、病気やケガが治ると信仰されており「撫仏(なでぼとけ)」とも言われています。

 

今回は多くの方から「びんずるさん」の愛称で親しまれています「賓頭盧尊者」について紹介します。

(甲斐善光寺 蔵)

びんずるさんの正式名称は「賓頭盧頗羅堕(びんずるはらだ)」といいます。お釈迦様の弟子の1人であります。「神通力」という偉大な超能力を持ち、病を治す能力に長けていました。ところが、ある時大勢の人の前で神通力を見せびらかしていました。そのことを知ったお釈迦様は修行者らしかぬ行いをしたと大変お怒りになり、涅槃(煩悩を完全に滅すること=悟りの境地)に入らず人々の病を治し続けなさいと言われます。

そのせいか、多くのお寺ではびんずるさんはお堂の中ではなく、外陣(本堂の外)に安置されることが多いです。いつでも人々の様子が見られるようにですかね…

また外陣に祀られるのは諸説あり、びんずるさんは全身が真っ赤です。俗説ではありますが、実はお酒が大好きな方でした。仏道修行をする上で修行の妨げになるお酒を飲むことは厳しく禁じられていました。少し飲むだけが気づけば全身が真っ赤になるまで飲んでしまい、お釈迦様と約束した禁酒の誓いを破ったことによりお堂の外陣に追いやられたという言い伝えもあります。ですが、びんずるさんはとても反省され、それ以降は一切お酒を飲まず、ただひたすらに修行に励み人々の救済を続けた為、全身が生気に満ち溢れて赤くなり、誰よりも先に人々の苦しみを取り除く為に、あえてお堂の外に出られるようになったと伝えられています。

今では、多くの参拝者はびんするさんを頼りにし、自分の体の悪い部分が治りますようにと病気やケガの治癒を祈り撫でられ愛されています。撫でられすぎて、顔がつるつるで顔のパーツは?となってしまっているお寺もあります(笑)また、一升瓶をびんずるさんに奉納する方もおられます。皆さんに愛されているびんずるさん、ぜひお寺に行き見かけた際には病気日平癒を祈り撫でてみてください。