地獄について

地獄について

ソーシャルテンプルの渡辺光順です。

 

さて、今回は地獄について書かせて頂きます。

思い返すと普段の法話では浄土の話をする事が多いので地獄について話す事はほとんどありません。
たまに質問をされて答える程度しか話題に出なかった様に思います。
なので、この記事を書く事になり改めて地獄について勉強させてもらいました。

では、早速地獄を覗いてみましょう…

 

まず一般的には「生前に自分の犯した罪によって、罪人が赴かねばならない牢獄の様な場所で獄卒(鬼)により様々な責苦を受けるところ」がイメージされるのではないでしょうか。

仏教では奈落、那落、㮈落迦または泥犂(ないり)、泥羅夜(ないらや)、泥黎耶と言い地下の世界や闇の世界を表しています。
六道と言われる世界の1つであり、その中の最下層でもあります。
一説には釈尊は地獄について直接は説かなかったとも言われております。

そんな地獄ですが実は地獄にも「寿命」が存在します。
苦しい世界にも期限や区切りは存在するのです。

 

1番短い場所で
1620000000000年…
読みやすく書くと一兆六千二百億年です。

いや一兆は長い…長すぎます。
しかも1番短い場所の話です。

ちなみに仏教では地獄からでも成仏出来ますが他の宗教では「永遠」と説く宗教もあります。

では、1番短い地獄の世界とは。

等活(とうかつ)地獄です。
等活地獄とは八大地獄の第一層で、殺生を犯した者が落ちる地獄です。
等活地獄ではどんな事をされるのでしょう。
獄卒と呼ばれる鬼達に鉄の爪や刃物などの鋭利な物で肉体を寸断されるのです。
しかし風が吹くと体が元に戻り同じ事を繰り返します。
他には体から鉄の爪や刃物など武器が出て来て、となりに居る亡者と違いに殺し合うなどとされています。

そんな状態を一兆六千二百億年って…
しかもまだ第一層の話です。

 

八熱大地獄・八寒大地獄・十六小地獄などの種類がありますがどれも行きたいとは思えない場所ばかりです。

地獄のイメージでは熱や火による責苦の印象がありますが実は「寒」もあるんです。
熱の地獄に相対する形で成立したとも言われておりますがなんとも恐ろしい所です。

 

話を戻しますが八熱大地獄を一気にご紹介します。
①等活
②黒縄(熱した鉄の縄を体に巻き付け焼かれる、釜茹)
③衆合(大石に潰される、臼の中で突かれる)
④叫喚(熱湯や猛火に焼かれる)
⑤大叫喚(釜茹や熱した針で口や舌を貫く)
⑥焦熱(熱した鉄の上で身を焼かれる)
⑦大焦熱(極熱で焼かれる)
⑧無間(針山、熱湯、舌を抜くなど)
下層にいけば年数も伸びていきますし黒縄は等活の10倍の苦しみ。衆合は黒縄の10倍の苦しみと苦しさもかけ算であがります。無間にいたっては大焦熱の1,000倍とも言われております。

以上少しだけ地獄について書かせてもらいましたが「地獄が怖いから悪い事をしない」とは思わないで下さい。
そう思ってしまうと罰則がなけらば悪さをしても良いと受け取られます。
自分自身が「正しい正しさ」をもってどう生きていくかが大切であり、地獄という恐怖から逃れる為に良い事をする訳でありません。

とうぞ明日からも正しくいられます様に。