「まちの広作室 in ながの」開催!

「まちの広作室 in ながの」開催!

「まちの広作室 in ながの」開催

先日、長野市の善光寺大勧進で「まちの広作室 in ながの」が開催されました。

集まったのは僧侶やお寺の運営に関わる関係者、約20人。

「まちの広作室」は、画像や動画作成のソフトウェアを提供するAdobeが全国で開催しているワークショプです。

デザインツール「Adobe Express」を使った広報物(ポスターやメニュー表など)作成のノウハウを伝え、地域活性化につなげようという取り組みで、これまでに東京、広島、山形など10ヶ所で実施されています。

「寺院運営」に必要なこと

僧侶は仏教のみ教えを拠り所として「仏道」を歩む。これは基本です。

(歩み方はそれぞれですが)

一方で「寺院」という組織を運営していく役割もあります。

そのためには経営の視点も必要で、情報発信も大切な要素です。

しかし、僧侶や寺院関係者向けの既存の教育・研修システムのなかに、情報発信についてプロから学ぶ機会はほとんどありません。個人的に学ぶか、自己流で進めるしかないのが現状です。

そこで私自身がもっと情報発信について専門的に学びたいと思い「まちの広作室」の開催をAdobeに相談し、実現していただけることになったのです。

最近はインスタグラムなどSNSのアカウントを持っている寺院も多いので、今回はSNS画像の制作にチャレンジしました。

当日は、WEBデザイナー・久保田涼子さんによる「想いを”見える化”するためのデザインの基本」と

イラストレーター・キャラクターデザイナー・北沢直樹さんの「実践編」の二本立てで進められました。

また、僧侶で消しゴムはんこ作家の麻田弘潤さんが花や鳥などのかわいらしいイラストを提供してくださり、歴史的な背景を振り返りながら、受け身の姿勢を断ち切り、僧侶が主体的に活動していくことの大切さについてお話してくださいました。

前半の久保田さんパートでは、各寺院の特徴や目指す姿などを言語化し、それを効果的に表現する方法(色やフォントの使い方など)を学びました。

そして、後半の北沢さんパートでは、実際にAdobe Expressを使って画像の制作にチャレンジ。

生成AIを使ってキャラクターを生み出したり、文章を簡単に編集できるという機能が紹介されると、参加した人たちはとても楽しそうに画面を操作していました。

ワークショップ終盤には、それぞれの作品の発表も。

優しいピンクをベースに、子どもたちの写真を大きく使って「喜びも悲しみもあなたと一緒に」というキャッチフレーズを添えた作品や、猫が玄関にちょこんと座る後ろ姿の写真をメインに、夜空をイメージした紺色と黄色のグラデーションで仕上げた作品など、個性的なSNS画像が完成しました。

土台を見つめ直す

現在、全国には7万5000を超える寺院があります。(2025年・文化庁宗教統計調査より)

この数字はコンビニの数よりも2万件も多く、全国の小中学校の合計の2倍にあたるそうです。

ご本尊があり、伽藍(本堂などの建物)があり、境内がある。

この構成はどこもほとんど変わらず、外から見れば単なる「寺」で、多くの人にとっては風景の一部でしかありません。

しかしその役割や存在意義は、立地や歴史、そしてそのお寺に関わる人々の思いによって様々です。

その個性を僧侶や関係者が捉え、知ってもらう努力をしなければ、寺院は「ただそこにあるもの」の域を出ることなく、取り残されていくばかりだと思います。

寺院運営に関わる私たちは「これまで通り」のやり方を手放し、関わっているお寺をどのような場所にしていくのか、何を核に進んでいくのかを考え、周りの人たちと議論して、テーマを明確にして発信していくことが必要不可欠だと考えています。

「まちの広作室 in ながの」は、それぞれが関わる寺院と向き合い、言葉やビジュアルで表現し、参加者同士がプレゼンしあうという、刺激的な機会となりました。

この時間に得たことを一過性のものにせず、長期的な寺院運営の土台としていけたらと思っています。