【仏教と考える】超宗派って一体なんだ?

【仏教と考える】超宗派って一体なんだ?

こんにちは。一般社団法人SOCIAL TEMPLEの理事/事務局長の小嶋康禅と申します。

突然ですが、「超宗派」という言葉をご存知でしょうか。

仏教の世界では、2000年代以降、少しずつ耳にする機会が増えてきました。

SOCIAL TEMPLEも「超宗派団体」「超宗派のお坊さんたち」と紹介されることが多く、活動の中でこの言葉を聞くことも少なくありません。

しかし、よく考えてみると「超宗派」とは何を意味するのでしょうか。

その意味は意外に曖昧です。今回はSOCIAL TEMPLEのキーワードともいえる「超宗派」について、少し深く考えてみたいと思います。

超宗派団体 SOCIAL TEMPLE

SOCIAL TEMPLEとは、このウェブサイト「お寺のじかん」を運営している山梨県の社会貢献団体です。

情報発信活動のほか、子ども食堂、植林活動、奨学金整備などさまざまな社会貢献に取り組んでいます。

寺GO飯の活動報告

そのほかの活動

そうしたSOCIAL TEMPLEの大きな特徴の一つが、異なる宗派の僧侶が多数在籍していることです。

僧侶が社会貢献活動に取り組むこと自体は珍しくありません。

境内に介護施設や幼稚園を併設しているお寺もありますし、病院や行政施設に勤務している僧侶もいます。

他にも地域のお祭りを運営や、一人暮らしの高齢者の見回り活動をしている方もいます。

ただし、そのような活動は一つのお寺の中で行われていたり、あるいは同じ宗派の僧侶が協力して行ったりするケースが多いです。

理由としては、施設や設備が既にお寺に用意されている場合や、同じ宗派内で人間関係やネットワークが既に構築されていて協力が容易である場合などさまざまです。

一方で、SOCIAL TEMPLEには異なる宗派の僧侶が集まり、共に活動に取り組んでいます。現在は日蓮宗、浄土宗、曹洞宗、臨済宗の僧侶が共に活動しています。

このように、異なる宗派の僧侶たちが集まり、一つの活動に取り組む状態「超宗派」と呼んでいます。

超宗派ってなんだろう?

しかし、「超宗派」には具体的な定義があるわけではありません。

何人集まればいいのか、宗派がいくつ集まればいいのか、といった基準が細かく決まっているわけではないのです。

ただし、少しだけ深く考えていくとその輪郭を掴むことができます。

まず「超宗派」とは「異なる宗派の僧侶が集まり、一つの活動に共に取り組む状態」です。SOCIAL TEMPLEはその具体的な事例の一つになります。

では、SOCIAL TEMPLEの僧侶たちは自身の宗派をどう思っているのでしょうか。

答えはシンプルです。

僧侶たちは自身の宗派を心から大切にしています。つまり、宗派を否定する、あるいは宗派をやめてしまうわけではありません。

僧侶たちは自身の宗派において信仰を実践し、その上で他の宗派の僧侶たちと繋がっているのです。

そうなると、「超宗派」とは宗派の異なる僧侶たちがバラバラに集まっている状態とも言えそうです。

しかし、実際には違います。

僧侶たちはお互いに学び合い、その中で成長していきます。

仏教への考え方や取り組み方、修行や悟りといった重要な教えの解釈をより豊かにしていくのです。

お互いに考え合っていくうちに、「私たちは僧侶として何をするべきなのか」「地域の課題に向けて何ができるのか」という問いに真剣に向き合うことができるのです。

つまり、大事なのは何人集まるかといった「数字」の問題ではありません。

むしろ、地域の課題や僧侶としての生き方に真剣になるために、どんな宗派の僧侶でもアクセスできる「場所」が大事なのです。

誰もが共に学び合い、共に修行し、共に社会貢献をしていくことができる場所。

それが結果として宗派の異なる僧侶がつながる理由になったのです。

超宗派とは、異なる僧侶が集まり、一つの活動に共に取り組むことです。

ただし、集まることそのものが大事なのではありません。

それぞれが自らの宗派を大切にしながらも、その枠組み閉じこもることなく、新たな出会いや学びを生み出していく関係性が大事なのです。

SOCIAL TEMPLEは、これからもそのような出会いと学びの場を大切にしつつ、地域課題に向き合い続けていきます。