お寺豆知識 第1回 お寺ってなんだろう?

お寺豆知識 第1回 お寺ってなんだろう?

仏教やお寺をみなさんにもっと知ってもらうWEBサイト、『お寺のじかん』を企画・運営をする、山梨県内の宗派を超えたお坊さんで構成している「坊主道」http://www.bozudo.com)の代表、近藤玄純と申します。

この『お寺のじかん』を通じて皆様に仏教やお寺をもっと身近に感じてもらい、お寺に足を運んでもらうきっかけになれば幸いです。

私たち坊主道が担当するのは『お寺豆知識』という企画です。普段の生活の中でみなさんが何気なくする行動、何気なく使う言葉の中には仏教やお寺がルーツなものがたくさんあります。それらを知っていただきみなさんの日常に彩りを加えられたらと思っています。また季節の行事から見るお寺や仏教もご紹介していきたいと思います。


その『お寺豆知識』の第一回目のテーマは「お寺」です。全国にはたくさんのお寺があります。それこそ大仏殿のある東大寺からみなさんのご先祖様が眠るお寺まで。いろいろな形がありますが約75,000のお寺が日本には存在します。そのルーツはインドにあります。仏教の開祖であるお釈迦様の生きていた頃まで遡ります。出家して修行をされていたお釈迦様は菩提樹という木の下で悟りを得られます。その後、弟子や信者に教えを説いていきます。やがて教団となっていき僧侶や弟子たちの修行の場として拠点を構えお寺となっていきます。長くなってしまうため、ざっくりと説明しましたがそこにルーツがあります。仏教が広まり中国へ伝わり、聖徳太子の時代に日本にも伝わってきました。飛鳥寺(法興寺)が日本では最古のお寺と言われています。何をするためにお寺ができたか。

それはお坊さんの修行の場であり民衆の信仰の対象でもありました。

昔、お坊さんは公務員で国の安泰を祈ることも仕事の一つでした。平安時代までは支配階級の人のためのお寺という側面もあったことは否めません。公家や武家のために祈り、五穀豊穣を祈る。それがお寺とお坊さんの役割だったのですね。また現代の大学の意味合いも持っていました。学問を学ぶ場所としてのお寺でもありました。鎌倉時代に入ると栄西、法然や親鸞、道元、日蓮などにより民衆のためのお寺にその性格は変わっていきます。そして江戸時代には戸籍をお寺で管理するようになり所謂「檀家」が生まれます。「寺請(てらうけ)制度」ですね。キリシタンの炙り出しのためとも言われています。

寺子屋

そして寺子屋と聞くとイメージしやすいと思いますが教育を担い、医療も担い、災害時には避難所として地域コミュニティの中心的役割として存在していました。

そしてお寺がお墓を持つようになって現代へと繋がってきています。現代のお寺は大きく分けると京都や奈良のお寺のような観光もできるお寺と、みなさんのご先祖様のいるお寺のように2つのタイプのお寺が存在します。共に信仰の対象であることは変わりません。

日本には色々な宗派が存在し、ご本尊もその宗派によって異なりますが、仏様をお祀りし地域の人々の心の安寧や健康を祈り、その場所で生きてきた人達や変化をずっと見守り続けているのがお寺です。

お寺に対してのイメージが少しは変わりましたか?

次にお寺に行く時はそんなことを思いながらお参りするのはいかがでしょうか?