お寺豆知識 第2回 除夜の鐘はなぜ108回突くの?

お寺豆知識 第2回 除夜の鐘はなぜ108回突くの?

私は、山梨県内で活動している坊主道の副代表、渡邉光順と申します。

年の瀬も迫ってきた師走、ついに「お寺のじかん」がリリースしました。
佛教をベースに色々な方の様々な話を発信していくサイトです。
私からは今回年末年始に因んだお話をお届けいたします。

多くの皆様は初詣に行くことと存じますが「除夜の鐘」を突いたことはありますか?
意外と参加できるお寺はたくさんあります。

その除夜の鐘を108打突くことはご存知だと思いますが何故108打なのでしょう。

諸説ありますが一般的には煩悩の数だと聞いている方が多いように感じます。
108の煩悩とは眼(げん)・耳(に)・鼻(び)・舌(ぜつ)・身(しん)・意(い)の六根にそれぞれ好(こう)悪(あく)平(へい)があり、全てが浄(じょう)染(せん)に分類されます。

6×3×2=36です。
更に前世、今世、来世がありますので36×3で108となるわけです。

もう一つの108打の意味は、十二ヶ月(一年)と二十四節気と七十二候の合計などともいわれております。
いずれにしても、一年を振り返り新年を迎える気持ちが大切なのですね。

除夜の鐘の後は初詣です。
一年で初めて詣でるから初詣。
元々は「年籠り(としごもり)」と言って家長が氏神に大みそかから元旦にかけて社に籠り祈願をしていた行事が「除夜詣」と「元旦詣」にかわり現代の初詣の形式になってきます。

現代の初詣の形での歴史は意外と浅く定着したのは明治時代になってからだと言われております。
俳句で使われる季語の「初詣」が採用されたのも明治終わりの話なのです。

意味を知る事より気持ちが大切なのだと思いますが、意味を知ることで気持ちが深まることも多々あります。

今後も定期的に「お寺のじかん」から佛教を発信し続けて参りますのでこれからもどうぞよろしくお願いいたします。
どうぞ良いお年をお迎えください。

合掌