お寺豆知識 第15回 「お盆」

お寺豆知識 第15回 「お盆」

8月・・・一年で一番暑い季節の到来です。
子供たちも夏休みに入り、いかがお過ごしでしょうか。

甲斐市妙秀寺住職の浅野文俊と申します。
2回目となりました。よろしくお願いいたします。

夏といえば⁉。。

皆さんの頭に思い浮かぶ行事がありますよね。
海!山!川!キャンプ。
もいいですが、、。

「お盆」の行事です。

お坊さんを一番見かける季節でもあるのではないでしょうか。
今回はその「お盆」について書きたいと思います。

「お盆」とは

ご先祖さまや亡くなった方が帰ってくるのをお迎えし、供養する期間のことを言います。

時期については。

もともとは旧暦の7月13日~16日までをお盆としていましたが、明治に入り新暦へと移行して、8月13日~16日にお盆を行うようになりました。
*地域によって異なります。

「お盆」の由来は?

 

「お盆」は、正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と言い。
サンスクリット語で「ウランバナ(逆さ吊りの苦しみ)」

「お盆」の盆はご先祖さまにお供えする品物を置くもののことで、その「盆」と「盂蘭盆会」が混同され「お盆」と言われるようになったようです。
*諸説あります。

「盂蘭盆経」(うらぼんきょう)と言う経典があります。

その「盂蘭盆経」の中にこんな話があります。

お釈迦さまの十大弟子の一人である目連尊者(もくれんそんじゃ)が自身の持つ神通力を使い、亡くなった自分のお母さんを覗くと「餓鬼道(がきどう)」に落ちていることを知ります。
(餓鬼道とは六道の一つ、三悪道で逆さ吊りにされ、飢えと渇きに苦しむ場所)

驚いた目連尊者がお母さんを助けようと水や食べ物をお供えしてもお母さんの口に入る前に乾いてしまい、焼けてしまい飲むことも食べることもできません。
困った目連尊者はこのことをお釈迦さまに相談にいきます。

すると、夏の修行が終わった僧侶たちに多くの供物を捧げて供養することで助けられると教えてもらいます。
お釈迦さまに教えてもらった通りに供養するとお母さんを救うことができました。

それ以後、目連尊者は毎年お母さんと同じように苦しんでいる精霊のために供養を続けました。


このお話が精霊を供養をする「盂蘭盆会」の行事の由来となっています。

日本では飛鳥時代に推古天皇(606年)によって七月十五日斎会(さいえ)を設けたのがお盆の最初とされ、その後、主に上流階級で催されていましたが、江戸時代に入り、ローソクが手軽に手に入るようになり、一般庶民にも広まったようです。
日本の古来からの祖霊信仰と「盂蘭盆会」が融合され、現在のお盆の行事ができあがったようです。

最後に

今回は「お盆」についてでした。
時期や行事の行い方等はお住いの地域や宗派の風習によって異なるかもしれませんが大切なのはご先祖さまを供養しようとする気持ちです。

ご先祖さまの努力があったからこそ、今の自分の命があることに感謝をし、「お盆」の行事を後世に伝えていきましょう。