謹賀新年!お寺豆知識 第3回 正月にはどんな意味がある?

謹賀新年!お寺豆知識 第3回 正月にはどんな意味がある?

新年明けましておめでとうございます。

私は超宗派仏教徒「坊主道」、酒井玄暁と申します。どうぞ宜しくお願い致します。

第3回お寺豆知識のテーマは「正月」です。

まずは正月の由来について。正月は、各家に歳神様(としがみさま)をお迎えし、その年の豊穣を願う行事です。1月1日から1月3日までを三が日、1月7日までを松の内、あるいは松七日と呼び、この期間を「正月」と言っています。

元々は本来お盆と同じく「先祖をお祀りする行事」でした。しかし、仏教が浸透しその影響が強くなるにつれて、お盆は仏教行事の盂蘭盆会〔うらぼんえ〕として先祖供養の行事となり、正月は歳神を迎えてその年の豊作を祈る「神祭り」として区別されるようになったと考えられています。

歳神様の由来には諸説ありますが、1年の始めにその年の豊作を願うため、歳神様を「穀物神」として祀ってきたというもの(歳神様の「とし」は穀物、主に稲が語源となっている事から、歳神様は稲の豊作をもたらす神様として日本では昔から大切に扱われていた)と家を災いから守ってくれる祖霊神であるというもの、この2つの考え方を融合させたものが古来より続いてきたというのが有力とされています。

正月を迎えるにあたり各家でいろいろと準備をしますよね。大掃除をして、門松を飾って、鏡餅をお供えして…。これらは全て歳神様をお迎えするために行うことです。

大掃除 →→→    お家を隅々まで綺麗にしておくと歳神様がたくさんの御利益を授けて下さるそうです。
門松  →→→    歳神様が迷わないための目印となります。
鏡餅  →→→    歳神様へのお供えもので、お正月の間、歳神様が宿ると言われています。供えていた鏡餅を、鏡開きの日に皆で食べることで、そこに宿った力を分けていただくと共に、一年間の無病息災を願います。

正月は日本最古の行事と言われています。この伝統を守っていくことこそが心豊かな生活を営むことに繋がってゆくのではないでしょうか。

 

最後に、今年一年が皆様にとってより良いものとなりますことを御祈念申し上げまして締めくくりとさせていだだきます。

合掌