ちいさなお寺、はじめました
【ちいさなお寺、はじめました】
はじめまして、この度『お寺のじかん』に参加し連載することとなりました浄土真宗の僧侶、浦上哲也と申します。
「なごみ庵」という、ちょっと変わった名前の寺の住職をしています。
さて、突然ですが皆さんは「お寺」というと、どういったイメージをお持ちでしょうか?
「昔からずっとそこにあって…」
「広い境内に綺麗な庭があって…」
「立派な本堂が建っていて…」
そういったイメージをお持ちの方も多いと思います。
しかし、歴史があって広い境内に立派な本堂が建っているお寺も、出来立てホヤホヤの時はどうだったのでしょうか?
そう、三百年の歴史があるお寺も平安時代に建立された古刹も、1年目があったのです。
お寺の成り立ち方も様々ですが、村外れの草庵に僧侶が住まうようになり、やがて周囲の人々が相談に来たり法要を頼んだりしていくうちに、少しずつ境内や建物が整っていったお寺も少なくないと思います。
「なごみ庵」は2006年4月6日、横浜市神奈川区の借家の一室を本堂(と言うのも憚られる小さな部屋ですが)として開きました。
一般家庭に生まれ、縁あって僧侶になり寺院に勤務していた私が、自分なりに仏教を伝えていきたいと発願して作った場でした。
はじめは月に1回の法話会のみに活動で、1人しかいらっしゃらない時も何度もありましたが、不思議と参加者ゼロにはなりませんでした。
参加者は少しずつ増えてゆき、2010年には同じ神奈川区の駅に近い場所に移転しました。
「継続は力なり」という耳慣れた言葉の通り、時には小さな本堂がいっぱいになることもあります(なにしろ小さいので、すぐ満堂になります)。
平安時代や鎌倉時代、室町時代や江戸時代にできたお寺が圧倒的に多いですが、平成や令和にできるお寺だってあるのです。
これから、どうやって「なごみ庵」が人の集う場所になっていったのか、記憶を辿りながらお話ししていきたいと思います。
ご高覧のほど、どうぞよろしくお願いいたします (^人^)