お寺豆知識 第5回「節分」・「立春」
「鬼は外! 福は内!」
今年もこの季節がやってきました。
皆様、節分の豆まきは終わりましたか?
坊主道に所属しております、笛吹市御坂町、真言宗智山派福光園寺、鈴木秀彰です。
季節の中で今が一番寒い季節
しかし暦の上では2月4日は「立春」つまり春の訪れです。
昨年末12月21日の冬至と3月21日の春分とのちょうど中間が「立春」となり、その前日である2月3日は「節分」、冬から春への季節を分けるそれが、「節分」の謂れにつながっているようです。
ちなみに立春・立夏・立秋・立冬の前日は全て「節分」と言い、特に立春の前日をそう呼びます。
つまり冬のおわりと春のはじまりを迎える大晦日であるこの日、前年の厄を祓い邪気を払い、新しい年の福を願う行事がこの「節分」になるのです。
この日は怖い鬼に向かって豆を投げる方が多いのではないでしょうか。
でもふと思います。
目の前の鬼は災い、厄ばかりでなく、あなたの外ばかりではなくあなたの内にもいませんか?
自らの心には「三毒」と呼ばれる捨てるべき心があります。
「三毒」とは「貪欲・瞋恚・愚痴(とんよく・しんに・ぐち)」
貪る(貪る)こころ、怒る(いかる)こころ、愚かなこころ
この三毒が日常生活の中で私たちのこころに作用し、惑い、苦しみ、悩みます。(その三毒を発しているのもまた〝自分〟なのですが)
これに少しでも向き合い、取り除いていきたいものです。
古来より豆には魔よけのちからがあり、その豆に厄を移し祓うなどの意味があり、豆まきをするようになったようです。
豆を撒くことで三毒を取り除くことはできませんが、節分や立春を一つの節目と捉えて、自分自身の心と向き合う機会にするのも良いのではないでしょうか?
目の前の鬼ばかりのせいにせず、あなたのこころと向き合い自分の鬼を追い払う、是非そんな時期にしてください。
まずはその意識を、その心持ちを節分があったこの時期に抱き、その心持ちであらためて豆(自分に立ち向かう心)をまき、
鬼(自分の中の三毒)を退治しようではありませんか。