ルーツと出会う旅
こんにちは
福島県猪苗代町 壽徳寺の松村妙仁です。
秋も随分深まりましたね。私の住む猪苗代では、こたつとストーブが登場。雪国の冬ももうすぐです。
祖母の実家へ
先日、山形県にある母方の祖母の実家へ行ってまいりました。
祖母の実家は歴史ある家である話は昔から聞いており、一度は行ってみたい場所。
ですが、母ですら二、三度しか行ったことがない。孫の私がすぐ行くことができるわけもなく、今回は場所を知っている伯母と一緒に、念願が叶った旅でした。
明治生まれの祖母
祖母は、9人きょうだいの長女。下のきょうだいをよく面倒みる、しっかりもののお姉さん。
大農家で地主の家系。明治生まれにして、女学校時代のハイカラな記念写真が残っていることからも、その様子を知ることができます。
養蚕も盛んだった地域で、養蚕の技術を教える先生として各地をまわっていた祖父と出会い、結婚。山形県から福島県へ嫁ぎます。
そして、夫である祖父も若くして病で先立ち、商売をしながら、女手ひとつで子ども4人を育て、明治、大正、昭和と駆け抜けた女性であります。
お寺とご縁が深い家
祖母の生家に着いて驚いたのは、お仏壇の前に馨子(けいす)と木魚があったこと。
馨子は、お寺の本堂などで見る、大きな鐘です。
家全体をよく見れば、お坊さんや高貴な方専用の玄関まであります。
代々お寺の役員さんもおつとめになり、お寺とご縁が深い家系。
その子孫である私が今、僧侶として生きているのも不思議なご縁です。
ゆかりある名前
お坊さんあるあるですが、他のお坊さんがお授けしたお戒名が気になるもの。
たとえば「優という漢字を使っているから、優しい穏やかな方だったのかな」と想像したり、使われている漢字をみて「人柄がわかる、いいお戒名だな」と思いをめぐらします。
お戒名を見て、会ったことのないご先祖さまに想いを寄せて、繋がりを感じる時間でもあります。
そこで気になったのは、私の名前と同じ「仁」という漢字が使われていること。
そのご先祖さまは、祖母のすぐ下の弟、仁(まさし)さんのお戒名。
私の名前の名付け親は祖母。
なぜ、仁子(じんこ)と名付けたのか直接聞くことはありませんでしたが、祖母の弟が仁さん、私の父の僧名は泰仁(たいにん)。
偶然にも仁にご縁があったのだと実感いたしました。
今の私と会って話を…
祖母が亡くなって30年
今の私と会っていたら、どう思うだろう。
どんな言葉をかけてくれるだろう。
会えるはずはないですが、会って話がしてみたいですね。
祖母に問いかけても答えは出ないけれど、
自分なりに答えを考え続けて、求めて、祖母の墓前にいろんな報告ができるよう、毎日積み重ねていこう。
それが大事なのですよね。
私のルーツを知り、心豊かになる素晴らしい旅でした。ご先祖さまのお墓をめぐる旅、オススメです。
合掌