お寺豆知識 第6回「お釈迦さま」と「涅槃会(ねはんえ)」

お寺豆知識 第6回「お釈迦さま」と「涅槃会(ねはんえ)」

お釈迦様のご命日「涅槃会(ねはんえ)」

はじめまして。
坊主道メンバー、甲斐市妙秀寺住職の浅野文俊と申します。
よろしくお願いいたします。

2月・・・皆さんの頭に思い浮かぶ行事と言えば?
節分・建国記念日・バレンタインデーと思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

この時期は仏教において大事な行事があることをご存知でしょうか?

それは、2月15日(旧暦)、お釈迦様の亡くなられた日、涅槃会(ねはんえ)という行事が行われる日です。

さかのぼること約2600年前・・・ 。
仏教の開祖・お釈迦さまは王族の子として誕生し、
生まれてから何不自由ない生活を送ってきました。
が、
あるとき、お城の外で老人や病人、死者に出会い、
そのことから、この世の4つの苦しみ「生老病死」を知り、
お金も地位も全てを捨て29歳の時に出家されます。
たくさんの苦行、修行をし、35歳で悟りを開らいて、
以来、45年にわたり伝道の旅を続けられ、
80歳でご生涯をとじられました。それが2月15日(旧暦)。

お釈迦さまがお亡くなりになったことを、
「涅槃」と言いますが、悟りを開くという意味もあり、
「涅槃」とは、インドの言葉ではニルバーナ
迷いのなくなった境地、すべての煩悩(←豆知識第2回)がたち切られ、
あらゆる苦しみから解き放たれることです。
もちろん、お釈迦さまはすでに悟りを開かれておりましたが、
生きている間は肉体的な苦しみがまだ残っていました。
それが亡くなることにより、
お釈迦さまは完全な涅槃に入られました。

【お釈迦様の亡くなられた時の様子「涅槃図(ねはんず)」と私たち】

その時の様子を描いた絵があります。
どの様な絵かというと・・・

真ん中の沙羅双樹の木の下で、右わきを下に横になり、
頭を北に、西を向いておられるお釈迦さま

周りを囲んでいるのは、十大弟子と菩薩さま
絵の右上にお釈迦さまの生母、摩耶夫人(まやふじん)
お釈迦さまの体に触れている老女スジャータ(お釈迦様に乳粥を供養した方)
さらには、十二支をはじめ野生の動物や虫までも
お釈迦さまが亡くなるのを悲しんでいる様子がわかる絵です。
この絵を「涅槃図」と言います。
「涅槃図」を掲げ、お釈迦さまを偲び、
報恩を捧げる法要をするのが涅槃会です。
お釈迦様のご命日に法要をすると言った方が分かりやすいですね。

仏教では人と人が出会うことも全て仏様にいただいた縁と捉えます。

私たちの今現在の幸せも、毎日を生きている喜びも仏様の意の中です。

お釈迦様のご命日をご存知だった方はもちろん、これを機に知って頂いた方も、仏様に今いただいてるご縁に感謝し、またご自宅の仏様・ご先祖様にこの〝いのち〟生きられることに感謝し手を合わせましょう。