お寺豆知識第23回 四苦八苦~人生の命と向き合う~
坊主道メンバーの曹洞宗、西源寺住職の若月和道と申します。西源寺は山梨市牧丘町にあります。
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さて日常生活の中で「四苦八苦(しくはっく)」という言葉を使うことがありますよね。
「ここのところ仕事が忙しくて四苦八苦だよ」「正月準備で四苦八苦!」なんて。
よく使う言葉だと思いますが。その意味はあんまり深く考えたことはないですね。
ちょっと考えてみましょう。
仏教では、『人間に生まれたものは必ず八つの苦しみをうける』とされています。八苦ですね。
四苦八苦の「四苦」は
「生」「老」「病」「死」の四つの苦しみ。
これに「愛別離苦(あいべつりく)」「怨憎会苦(おんぞうえく)」「求不得苦(ぐふとくく)」「五陰盛苦(ごおんじょうく)」の四つの苦しみを加えて「四苦八苦」といいます。
なんだか苦しみ、苦しみなんて繰り返して申し訳ありません(笑)。
しかし、しっかりと苦しみと向かい合う事は、人生を太く生きる為には大切な事だと思います。
四苦八苦とは。
生苦・・・人間は生まれてくる時に大変な苦しみと共に生まれてくるといいます。そして生きてく苦しみです。
老苦・・・老いていく苦しみ。単体の衰え。
病苦・・・さまざまな病気で苦しんでいる人が大勢います。病気になる苦しみ。身体の痛み。
死苦・・・最後に死に関する苦しみ。死をむかえる、死の恐怖など。
愛別離苦(あいべつりく)・・・どんな愛する人でも必ず別れの時が来る(生別・死別)別れなければならない苦しみ。
怨憎会苦(おんぞうえく)・・・嫌いな人、イヤでイヤでたまらない人と接して生きていかなければならない苦しみ。
求不得苦(ぐふとくく)・・・欲しくても、いくら望んでも得られない苦しみ。
五陰盛苦(ごおんじょうく)・・・満たされているゆえにおきる苦しみ。身体、自身の心が思い通りにならない苦しみ。
以上これらの苦しみを「四苦八苦」と言います。
人は「苦」というものから、逃れようとしたり、目を背けようとしたりしてしまいます。
しかし、「四苦八苦」というものは、皆に平等にあるのです。
この「苦」にしっかりと向き合い、「苦」と共に生きていく。「苦」を乗り越えていく。
そして「どう生きるか」「私たちがどう生かされているか」考えていくのです。
「苦」があるから「楽」がある。「楽」があるから「苦」がある。
苦しみと直面したら、深呼吸して、自分と向かい合いましょう!
起こってしまった事実は変えることはできません。その事実をどう受け止めるかは自分次第です。
前向きに受け止めましょう。
そしてせっかくいただいたこの命。生きよう、生きよう、としている命。大切に。