世界初！オンラインで泊まれるお寺！？「クラウドホテル」開発プロデューサーに聞く

お寺のじかん編集部です。
「オンラインで泊まれるお寺」と聞いて皆様は何を思い浮かべるでしょうか？

オンラインのお寺に泊まる？
オンラインのお寺？
何がなんだか分からなくなって来ました。

お寺のじかんでも連載していただいている「お寺ステイ」が新しく展開するサービス『CLOUD HOTEL」。

開発プロデューサーの谷垣陽子さんにお話を伺ってみました。

CLOUD HOTEL　開発プロデューサー：谷垣陽子さんに聞く

髪の長い女性自動的に生成された説明

谷垣陽子
30数年の仕事人生、広告会社のコピーライターからスタートし、P＆G、ワーナー・ブラザース等、世界有数のグローバル企業に転職。新規事業開発、マーケティングを中心に、様々なポジションでキャリアを積む。1 COIN DVD等、手がけたヒット商品多数。2015年より4年半に渡り、全国17ヶ所に社員350人を抱えるホテル運営会社の代表取締役社長を経験。収益拡大、ブランディング、人材育成に心血を注ぐ。現在は、いつもの美味しさでゲストを笑顔にする町の食堂のような、身近で社会に役立つコンサルティングファームを目指し「それいゆ食堂合同会社」を経営。

なぜ、「CLOUD HOTEL」を立ち上げようと思ったのでしょうか？

2020年は、世界が経験した事のないパラダイムシフトの中、誰もが生き抜くために、これまでの生活を見直す一年になりました。
私自身も、最初は社会の変化に恐れを感じ、刻々と届く悲しいニュースに心を痛め、会いたい人に自由に会えないストレスを感じる毎日でした。
そんな中、日々の生活に新しい習慣を加え、日常をコツコツ丁寧に生きる事から、だんだんと心身が調い、心に喜びが生まれる事を実感しました。
この「心身を調える習慣」作りのプロセスをプログラム化して、多くの人にお届けできないかと思ったのが出発点です。

お寺の宿坊と、新しいプログラムがどうやって交わったのですか？

今年の１月より、お寺ステイのアドバイザー的立場で仕事を始めていました。
代表者の方を昔から存じ上げていたので、ホテルの運営会社の取締役を辞めたタイミングでお声がけいただきました。
海外からのゲストでお寺ステイの宿坊は賑わっていたのですが、昨今の状況により、宿坊のあり方、商品価値を見直すチャンスでもあったのです。
オンラインでも、日本中、ゆくゆくは世界中のゲストに、価値のご提供ができるのではないかと、僧侶の方々やお寺ステイのメンバーと幾度も話し合いを重ねました。

お寺の修行が「心身を調える習慣」の一つだったわけですね？

個人の体験として、友人が主催した、お寺での二泊三日のリトリートに参加しました。
海外からのゲストスピーカーもあり、座学も充実したプログラムだったのですが、印象に残った事の一つが、朝４：３０に起き、座禅をして、朝食を皆でいただく。そして、作務の掃除を皆で行うということでした。一言で言うと「気持ちが良かった」のです。
毎日、こんな心身がすっきりした感覚で生きたいなと思ったものです。

CLOUD HOTELの修行について、詳しく教えてください。

CLOUD HOTELのコアプログラムとして、独自のMethodで「D・R・E・A・M修行」としています。

心身を調えInner Joyを見つけていただけるように、①Detox（手放す） ②Rest（休む） ③Eat（食べる） ④Act（働く） ⑤Meet（出会う）、という、５つのプロセスを反映しました。
コアプログラムは、22:00就寝・5:30起床。夕方以降にチェックインをして、夜は「法話や座禅、写経などのライブラリー映像を見ながら、”静”の時間で自分と向き合う時間」です。
朝は「日の出と共に起き、瞑想で心を整え、作務を通じて身体を動かし、朝粥をいただき、今日１日どう生きるかを確認する”動”の修行」を、お坊さんとライブで繋いで行います。

開発にあたって、ご苦労やご心配はありましたか？

全くありません。
それは、ご一緒にプログラム開発をしてくださる僧侶の皆さん、お寺ステイの皆さんの仕事ぶりが素晴らしかったからです。
そして、根本に、お寺の修行という、歴史の中で培われた素晴らしい学びがありますから、内容に不安はありませんでした。
開発の時間を通じて、私自身、新しい発見や気づきが沢山ありましたし、日々勉強させて頂いています。
これから、ゲストの皆さんのお声を頂きながら、より充実した内容に磨き上げていきたいと思います。

ホテルの運営会社を経営されていた経験は活きていますか？

ホテル時代は、ゲストレビューの全てに、毎日、目を通していました。
お褒めの言葉は、お料理やお部屋といったモノではなく、スタッフの笑顔や、ちょっとしたお心配りに対してのものが多かったのです。
ホテル・宿坊は、ゲストの皆様との一期一会。
たとえオンラインであっても、人の温もりが感じられるようなサービス、そして、35宿泊という長く感じる修行旅を楽しんでいただけるよう、色々こだわって開発をしています。