お墓についてのあれこれ。ヨーガ講師が住職に質問してみた vol.1

お墓についてのあれこれ。ヨーガ講師が住職に質問してみた vol.1

皆様こんにちは。

ヨーガ・瞑想講師の竹田夕子です。
今の社会情勢や我々を取り巻く環境という意味で、
社会という集団の意識が大きく動いているのを感じる昨今ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

さて今回は、「お墓について」。

病気でこころや身体を痛める人、未来を見つめる姿、自死を選ぶ人、家族のかたち、セクシュアリティーの多様化などなどに触れていると…
わたしは最近特に、お墓やお墓の意味についてよく考えるようになっていました。
そこで、私を含めた一般の人が疑問に思いやすいことを住職に聞いてみようと思い立ち、そのやり取りをコラムとしてみなさんにシェアしていきたいと思います。
質問に答えてくれたのは
山梨県牧丘町にあります西源寺の若月住職。
「ややこしい質問に丁寧にお答えくださって、ありがとうございます」。。。そんな気持ち。
質問はまとまりなくいくつも浮かんできましたので、このテーマのコラムも2回くらいに分けて投稿しようと思います。
今回はvol.1として、今の社会とお墓の関係についての質問です。
質問 ① 
今の時代、先祖代々のお墓に入らずに、遺骨を自然に還したり、便利なシステムに合わせて納骨したりする風潮がありますが、そのような風潮に関して住職はどんな風に感じますか? 
住職 :
時代の変化に伴い、葬送儀礼などにも変化が生じてくると思いますし、必要に応じて変化をしなければならない時もあります。
ただ大事なことは、しっかりと根本を忘れないということだと思います。
自分がどんな風に送られたいか、ということよりも「どう生きたか」の方が大事でしょう。
竹田夕子 :
なるほど…「どんな風に送られたいか」よりも「どう生きたか」が大事。
人生も老いや病気や周りの死に触れる場面が多くなってくると、先のことを考えがちになりますが…今をどう生きるかがまず大事だ、ということかな。
質問② 
さまざまな理由から、独身で過ごす選択や、子どもを持たない選択をする方すごく増えてきています。子孫を残さないこととお墓の存在の関係については、どんな考えでいらっしゃいますか? 
住職 :
今では、家を継ぐという考え方が薄くなっています。
これは、親と同居しないという生活スタイルの変化や、会社勤めの人が増え、家業を継ぐということもなくなってきていることが影響しているのだと考えます。
家を継ぐ人がいなくなれば、必然と墓地を守る、守れる人が居なくなるということになります。
ご質問の子孫を残さないことと、お墓の存在の関係は非常に強く、切っても切れないものがあります。
「○○家之墓」から「個人墓」へと変化していると感じています。
竹田夕子 :
「個人墓」という言葉を初めて聞きました。
周囲にもその存在に気づいたことがないので、なかなか想像しがたいですけど…家族のかたちやセクシュアリティーの多様化が拡がるにつれて、実際にはこれから目に見えて増えていくのかもしれませんね。
質問③
離婚して籍が別れた家族は、なぜ同じお墓に入れないのですか? 
住職 :
昔は、長男が家を継ぐ=墓地を継ぐ(守る)。次男は結婚すれば分家=新しい墓地を設ける。
お墓の考え方もその家の単位で考えていました。このことから同じお墓に入れないとなったのでしょう。
しかし今は違うと思います。もちろんお寺の墓地で墓地管理者が住職さんであれば、住職さんの考え方にもよるかもしれませんが、現在では、本人の意思やご家族の意思を最優先にすることが多いと思います。墓地の考え方も柔軟さが求められています。
竹田夕子 :
そうなんですね!社会の変化に沿って墓地の考え方も柔軟に変化していくことを知れて、少し安心しました。
質問④
お墓とは、土地や形に根付くものですか?人の心に根付くものですか?
住職 :拝む対象であり、自己の存在を自覚する場所でもあるかと思います。どこかに根付くとか、根付かないかという存在ではありません。
竹田夕子 :
ふむふむ。お墓ってルーツだったり先祖代々、守る、のようなイメージから、なにかを形にし土地と結び付けることにどこか「根付かせる」ような意味があるのかと思っていました。
自己の存在を自覚する場所。場所としてはそこにあるけれども、お墓はそこに根付いているわけではなく、個人の中にあるのですね。
今回のvol.1は、ここまで。
噛み砕いて消化するまでに少し時間がかかりそうですが…ゆっくり何度も読んで、ほんのりお墓のことを考えつつ、今の自分を見つめていきたいと思います。

それではまたー!