お寺豆知識第8回 「お彼岸は、仏の教えに触れる機会」

お寺豆知識第8回 「お彼岸は、仏の教えに触れる機会」

【暑さ寒さも彼岸まで】

こんにちは。

坊主道メンバーの
都留市 耕雲院 副住職
河口智賢と申します。

3月も中旬になり、だいぶ暖かくなりましたね。
でも、まだまだ寒さも混在しています。

先々週は富士吉田で明け方に少し雪がちらつきました。

芳しい香りが漂い枝に咲き誇る梅の花にうっすらと白い雪が和んだその姿は厳しい冬から暖かい春へ季節の移り変わりを私たちに告げているようでした。

「暑さ寒さも彼岸まで」

というようにお彼岸を境に季節と心も移り変わっていきます。

毎年、3月の春彼岸と、9月の秋彼岸では
それぞれ春分の日と秋分の日をお中日(ちゅうにち)としてお中日の前後1週間に渡る期間をお彼岸と言います。

お彼岸のお中日(春分・秋分の日)は昼と夜の長さが同じ時間です。

お中日は、太陽が真東から昇り、真西に沈んでいくことからその先に仏の世界があると考え古来より先祖に対する祈りを捧げてきました。

【彼岸と此岸(ひがんとしがん)】

お彼岸とは煩悩と迷いだらけの私たちの世界
「此岸(しがん)」から、

涅槃(ねはん)の境地
つまり悟りの世界である

「彼岸(ひがん)」へ渡ることをさします。

また、彼岸へ到ることを
「到彼岸(とうひがん)」
と言います。

【お彼岸中にするべきことは】

お彼岸は仏教を学び、実践(修行)する期間でもあります。

その実践方法として「六波羅蜜(ろくはらみつ)」と呼ばれる修行の種類があります。

・布施(ふせ)  施し与える喜びを知る。
・持戒(じかい) 規則を守り、迷惑をかけない。
・忍辱(にんにく) 感情に流されず、辛抱強くものごとにあたる。
・精進(しょうじん)するべきことに少しずつでも励む。
・禅定(ぜんじょう) 心穏やかにすごす。
・智慧(ちえ)ものごとの道理を、正しく、深く理解する。

これらのことを学び、実践することにより理想的な悟りの世界へ到ることができるとお釈迦様は仰っています。

その期間が、お彼岸の一週間です。

【仏様の教えに触れる時】

仏教は、人が幸せに生きるためにあります。

そして、自分自身を見つめる為の教えが沢山詰まっています。

悩んだ時。
行き詰まった時。
心が苦しくなった時。

そんな時には
仏様の教えに触れてみてください。

身も心も仏様にお預けする事が出来れば
自然に人間本来のこころが目醒めて
最上の生き方ができるはずです。

自分の心にゆとりが持てた時
相手にも今までより優しくできるのではないでしょうか。
またそんなことを思いながらお彼岸のお墓参りをしてみてはいかがでしょうか。