子どもと思い切り遊べる“お寺”という場所:「寺GO飯」学生スタッフインタビュー

子どもと思い切り遊べる“お寺”という場所:「寺GO飯」学生スタッフインタビュー

多くの人に支えられている「寺GO飯」

「寺GO飯」つくるひとびと 第3回:学生スタッフの皆様

昨年2月まで山梨県甲斐市の「功徳院」で月に一度開催されていた、一般社団法人SOCIAL TEMPLE主催の“お寺版子ども食堂”プロジェクト「寺GO飯(てらごはん)」。

新型コロナウイルス拡大の影響で現在はオンライン開催となっている「寺GO飯」ですが、本プロジェクトは寺院関係者に加え、料理人の方々や学生の方々など、多くの人々による無償のサポートに支えられています。

そうした協力者(コラボレーター)の方々をご紹介する「寺GO飯 つくるひとびと」。今回は、オンライン開催となる前、功徳院での開催に参加していた学生の皆さまにフォーカスして、「寺GO飯」へ参加することになった経緯や参加した感想などを伺ってみました(記事は取材順に掲載しています)。

「寺GO飯」つくるひとびと 第3回:学生スタッフの皆様

▼自分自身が楽しめる場所

臼井彩人(うすい・あやと)さん
キャンプネーム:パピコ
山梨大学生命環境学部(取材時3年生)

・「寺GO飯」に参加した経緯を教えてください。
もともと所属している「山梨幼児野外教育研究会」(以下、野外活動サークル)の活動がきっかけです。こちらのサークルには山梨大学教育学部の学生が数多く所属していますが、そちらのOBの方がSOCIAL TEMPLEの方々と知り合いで、「寺GO飯」立ち上げにあたってご相談があったそうです。で、「それならば」ということで、僕たちに、ボランティアというか「子供に関わる機会があるよ?」ということでご紹介がありました。

「寺GO飯」つくるひとびと 第3回:学生スタッフの皆様

・参加してみて、どのような印象を持ちましたか?
キャンプ等の野外活動を通じて子どもたちの教育の場をつくっていく野外活動サークルと違って、「寺GO飯」は室内活動ですから、そのぶん新鮮だと感じています。お寺で子どもたちと遊ぶというのも最初のうちはピンと来なかったし、「食育」というテーマも難しいイメージがありましたけれども、第1回目から参加し続けていて、今はすごく充実しています。子どもたちが怪我をしないよう注意したりしながらも、何より僕自身が楽しませてもらっていますね。僕は教育学部ではないのですが、子どもと過ごす時間が好きだし、子どもと一緒に遊ばせてもらっているという感覚です。

・今後参加を考えている方に、何かメッセージがあればお願いします。
同じように子どもが好きな方なら楽しく続けられる活動だと思っていますから、まずは気軽に来ていただけたらと思います。

「寺GO飯」つくるひとびと 第3回:学生スタッフの皆様

▼幅広い世代の人々と関わる楽しさ

小尾彩乃(おび・あやの)さん
キャンプネーム:メンマ
山梨大学教育学部(取材時3年生)

・「寺GO飯」に参加した経緯を教えてください。
山梨大学で皆と同じ野外活動サークルに所属していて、そちらから有志で参加させていただいています。私も教育学部で小学校の先生を目指していますが、私を含めて、もともと子供が好きという人たちが集まっている感じですね。すごく勉強になるし、今は私自身が楽しんでいます。

・スタッフとして担っている役割について教えてください。
保護者の方々からすると、お子さんと一緒にごはんを食べることに加えて、住職の方のお話を聞きたいというご要望もあるそうです。ですから、住職さんが親御さんにお話をしているあいだ、子どもたちの相手をしているのが私たちの主な役割という感じです。あとは、危なくないよう一緒に配膳をしたり、ご飯のあとは、アクティブに遊ぶ子、静かにゲームをしたりする子、宿題をやる子、それぞれに対応したり。基本的には自由で、あまり活動は制限しなくていいと言われています。

「寺GO飯」つくるひとびと 第3回:学生スタッフの皆様

・参加してみて、どのような印象を持ちましたか?
お寺でご飯を食べるという経験は私たちも初めてでしたが、お寺がこんな風に身近で、「こんなに騒いでもいいものなんだ」ということに驚きました。あと、ここでは大学のように同じ年齢層の人たちだけでなく、子どもたちに加えて保護者の方々とか、住職さんとか、普段関わらない人たちと関われます。そういう、いつもと違う環境でご飯を食べることができるのも私にとっては魅力ですね。家で一人ご飯を食べるのも寂しいし(笑)、ここに来れば、子供もいて楽しくて、ありがたいお話も聞けますから。

・今後参加を考えている方に、何かメッセージがあればお願いします。
私自身、来たいときに来ている形で強制ではないですし、1回来ていただければ雰囲気も分かると思うので、興味がある方はぜひ気軽に。視野も広がって楽しめる活動だと思います。

「寺GO飯」つくるひとびと 第3回:学生スタッフの皆様

▼子どもたちに元気をもらえる場所

吉田智貴(よしだ・ともき)さん
キャンプネーム:ヨーダ
山梨大学教育学部(取材時3年生)

・「寺GO飯」に参加した経緯や、スタッフとして担っている役割について教えてください。
皆と同じく野外活動サークルに所属していて、誘われて気軽に参加してみたら楽しかったから続けているという感じですね。もともと子どもと遊ぶのは好きなので。元気に遊びまわる子たちが怪我をしないよう注意をしながら、一緒に遊んだり、宿題を教えたり。状況に応じて、役割はいろいろあります。基本的には、できるだけ子どもたちの自主性に任せてみようと思っています。

「寺GO飯」つくるひとびと 第3回:学生スタッフの皆様

・参加してみて、どのような印象を持ちましたか?
僕自身は一年生の頃からボランティアで小学校に行ったりしていたんですが、「寺GO飯」は学校ではないということもあって、とにかく子どもたちがめちゃくちゃに元気です。一緒に遊んでいると疲れるときもありますけれども(笑)、そのぶん僕自身も楽しんでいるし、むしろ子どもたちから元気をもらっている感覚です。また、こういう形でお寺に関わるのも初めてですが、それほど違和感はなかったというか。祖父母の家の近くにも大きなお寺があって、子供の頃はお坊さんがいらしてお経を読んでくださったりするようなこともあったので、もともとお寺の方には親しみを感じていました。

・今後参加を考えている方に、何かメッセージがあればお願いします。
僕たちの場合はサークルの仲間と一緒に参加するという流れだったので特に迷いはありませんでした。ただ、いずれにしても、子供が好きな方であれば必ず楽しめると思います。ご飯も美味しいですから、気軽に考えていただけたらいいのかなと思います。

「寺GO飯」つくるひとびと 第3回:学生スタッフの皆様

▼子どもと同じ目線でストレートに向き合う

飯塚宙也(いいつか・ひろや)さん
キャンプネーム:ロッポー
山梨学院大学法学部(取材時2年生)

・「寺GO飯」に参加した経緯について教えてください。
皆と同じ野外活動サークルに所属していますが、僕は中学生の頃から“子ども側”として参加していました。それで大学生になってから改めてサークルに入って、そのなかで「寺GO飯」を紹介していただいて皆と一緒に参加したという流れですね。法学部なので教育関係を目指しているわけではないですが、もともと子どもと遊んだりするのが好きだったし、サークルでも同様の活動をしていたから、「寺GO飯」には最初から馴染めました。

「寺GO飯」つくるひとびと 第3回:学生スタッフの皆様

・参加してみて、どのような印象を持ちましたか?
たとえば野外活動サークルのほうはキャンプ等、何かの目的や工程があって、それに従って皆で共同作業をするという感じですが、こちらはストレートに子どもと関わるので、その点が新鮮だと感じます。子どもはやっぱりエネルギーが凄くて、結構ブレーキが効かなかったりするときもありますけど(笑)。でも、お寺の方も一緒に面倒を見てくださるし、危ないときは注意もしてくださったりするから、助かっています。

・今後参加を考えている方に、何かメッセージがあればお願いします。
野外活動サークルのほうは子どもをサポートするというか、“導く”感じで子どもよりひとつうえの目線ですが、「寺GO飯」は本当に同じ目線。こういう機会って、なかなかないと思います。住職さんのお話も勉強になるし、座禅なんて普段はやる機会もないですから、参加していただければすごく貴重な経験ができるのではないかなと思います。

「寺GO飯」つくるひとびと 第3回:学生スタッフの皆様

▼子どもたちの成長を目にする喜び

吉田千博(よしだ・ちひろ)さん
キャンプネーム:ベジ
山梨大学工学部(取材時3年生)

・「寺GO飯」に参加した経緯について教えてください。
皆と同じく野外教育サークルの有志で参加しています。私自身も小さい頃キャンプに参加していたということがあって、ボランティアを経験したいと思っていたのがサークルに入るきっかけでしたから、「寺GO飯」にお手伝いとして関わるのも自然な流れでした。

「寺GO飯」つくるひとびと 第3回:学生スタッフの皆様

・参加してみて、どのような印象を持ちましたか?
私自身は工学部なので教育関係のお仕事を志向しているわけではないですが、もともと子どもと接するのが好きだったので、今は普通に楽しんでいる感覚です。子どもって成長が本当に早いですよね。私は2年前から参加させていただいていますが、毎月来ている子を見ていると成長が分かるというか、「あ、身長伸びたね」「『いただきます』がきちんと言えるようになったんだ!」なんて、勝手に母目線になったりして(笑)。あと、お寺で法話を聞いたり座禅をしたり、経験の幅が広がるのも好きです。「お坊さん同士って、宗派が違ってもこんなに仲が良いんだ」とか、「お坊さんのお話、こんなに面白いんだ」とか、発見が多いです。お経を読むときの声の感じも皆違っていたりして、面白いなと思いながら聞いています。子どもたちも、お経のリズムに乗っている子がいたりして(笑)、体で感じている部分はあるのかもしれないですね。

・今後参加を考えている方に、何かメッセージがあればお願いします。
参加していただくと、仏教に対するイメージが変わるかなと思います。だって、お肉を食べていいんですよ? 食べてはいけないものなのかなと思っていたから驚きました。比較的気軽な感じで訪れていた神社と違って、お寺はお墓参りをするときぐらいしか行く機会はなかったのですが、私自身、今はお寺の世界が“開けた”感じになりました。寺院関係者の方々もすごくフランクな方ばかりですし、ぜひ気軽に足を運んでいただけたらと思います。

「寺GO飯」つくるひとびと 第3回:学生スタッフの皆様

▼皆が優しく温かい「お寺」という場所

河野有紗(こうの・ありさ)さん
キャンプネーム:チュラ
山梨大学教育学部(取材時4年生)

・「寺GO飯」に参加した経緯について教えてください。
私も皆と同じで、所属する野外サークルで先輩に紹介していただきました。教育学部で学校の先生を目指していて、子どもと関わる機会を持ちたかったという希望もあって参加させていただいています。

「寺GO飯」つくるひとびと 第3回:学生スタッフの皆様

・参加してみて、どのような印象を持ちましたか?
こういう形でお寺に関わるのは初めてだし、今までは、なにかこう、敷居が高いイメージがありましたけれども、お坊さんをはじめ関係者の方々は皆優しくて温かい感じです。私自身はボードゲームが好きで、「寺GO飯」では子どもたちと一緒にゲームをするのが好きですね。新作のボードゲームを買ったらこちらに持ってきて、子どもたちと一緒に作戦を練ってみたりしつつ(笑)。何より私自身が楽しみながら、子どもたちとの距離を縮めることができているのかなと感じています。おそらく初めて顔を合わせる相手とは、子どもたちのほうも距離感が掴めていないのかもしれません。それで近づいたり離れたりしながら、「この人はこういう距離感で大丈夫かな」なんていうことを考えたりしているんじゃないかなと思います。

・今後参加を考えている方に、何かメッセージがあればお願いします。
お寺については厳粛な場所で厳しい人たちが多いのかなと思っていましたけれども、皆さん、すごく明るくて優しいです。私自身、家族のお墓はお寺にありつつ、これまでは詳しくなかったのですが、今は仏教が身近に感じられるようになったという感覚があります。その辺は体験してみないと分からないと思うので、まずは遊びに来てみていただけたらと思いますね。