坊主道が行ってきた!〜映水展『祈りのある暮らし』〜

坊主道が行ってきた!〜映水展『祈りのある暮らし』〜

【映水展〜祈りのある暮らし〜】

SOCIALTEMPLEの正会員でもあり、日本だけでなく世界でも活躍している映水さんの個展に行ってきました!

本来は「坊主道と行くシリーズ」を開催し、多くの方と行きたかったのですが、コロナ禍の影響もあり、横山・坪井の2人で個展にお邪魔しました。

場所は山梨県甲府市にあるArtist In Residence Yamanashi[AIRY]。
国内外のアーティストに宿泊施設、スタジオ、ギャラリーおよび最終段階での展覧会を提供し、地域でのワークショップやネットワーキングのための支援をしているそうです。

そんな素敵な場所で映水さんの個展は開催されました。

会場に向かう階段を登っていくと、、、

着物姿の映水さんが!
数名のお客さんとお話されていたので会場横のバルコニーで待機。

バルコニーからは満開の桜がお出迎えをしてくれました。

【整え、内省する】

ひと段落したとこで映水さんにお話を伺いました。

今回の展覧会は「祈りのある暮らし」というタイトルです。

コロナになって不安な時間を過ごしている人が多くいます。

ツナガリイムでたくさんの人が書いたものを飾っていました。
理由はほっとする、仏様がここにあるという考え方からです。

私(映水)は「祈り」とは神仏に縋(すが)るのではなく、自分を整える、こだわりを捨てる、握っていたものを開放する、仏様に任せてしまうことだと思います。
現代ではなかなか手放す場所がないことに気づきました。

そういった場所が家庭内では仏壇でありましたが、現代の家は床の間・仏壇・神棚のない家が多いです。

生活ばかりの家様式になってしまいました。

いざ自分と向き合う時間が多く訪れたときに場所がない。

生活ばっかになってしまっていてひとりになる場所とか先祖・神仏と向き合う場所がなくなってしまいました。

コロナ禍でお墓参りが増えたという話をよく聞きますが、それは祈る場所がないからという一面もあると思います。

祈りの場所は外ではなく内にあればより多くの時間を過ごせます。

そういった時間を持ってもらいたいという想いから「祈りのある暮らし」と言うタイトルで自分を整える時間、内省する時間を暮らしに持ちませんか?という提案のための展覧会です。

 

それでは映水さんの作品を見ていきましょう!

多くの作品があるなか、一際目を引く作品がありました。

【循環の中で生きる】

作品自体も非常に大きく、見ていると引き込まれていきそうな印象を持ちました。

こちらの作品について映水さんにお話を伺いました。

 

こちらの作品は「草木国土悉皆成仏」と言うタイトルです。

中国から孔子の考えと一緒になって日本に入ってきて根付いた言葉です。

全てのものにいのちは宿っていて成仏できるよ、修行の道を歩んでいるよと言う言葉をどう表現しようかと思い描いた作品です。

ストーリーとしては、女の子の後ろに深海の生き物です。
深海の生き物の命を育んでいるのは海、海の水は蒸発をして雲になり、やがて水になります。

私たちは滝からの水を飲むのと同じように動物も植物も同じ水をいただきます。

屍は鹿ですが、私のお散歩コースに実際にいた鹿の屍です。
通常ですと撤去されますが、白骨になるまでずっとこの場所にいました。

毎日観察していろんなものが無くなっていき、最後は毛皮と骨のみになりました。

生き物が死んだ時に黒い蝶が飛ぶという話がありますが、実際に黒い蝶が飛んでいました。

その姿がすごい神秘的な雰囲気でした。

動物の屍も土に還り、土に還った栄養を植物がもらう、という循環の中にわたしたちは生きてます。

模様は七宝紋という丸い柄で、永遠に続いていくというご縁のいい意味のある柄で柄おこしをしました。

 

【終わりに】

「草木国土悉皆成仏」は盛り上げ彩色、漆がけ、土をかけたり、ヤスリをかけたり、液体マスキングしたりetc…たくさんの工程を経てできた作品だそうです。

お経の一文字一文字には仏様が宿っていると言われます。

それと同じように、1つの作品を仕上げるまでのひとつひとつの工程には、映水さんの経験・技術・愛情などいろんな想いが宿っているのだと思いました。

今回は2人で個展に行ってきましたが、次回の映水さんの個展は多くの方と「坊主道と行くシリーズ」としてお伺い出来ればと思います。

コロナウィルスの1日も早い収束を願って・・・合掌

映水さんを応援したい!という方はオンラインサロン「映水のアトリエ」へ!

制作にかける想いや作業風景などリアルタイムで共有してくれます。
興味のある方はお願い致します!

そして、次回の展覧会の予定も決まっております。
次回は、娘さんとの「親子展」が山梨県南部町立美術館で開催されます。
会期中の写仏会の際には坊主道メンバーの法話も聴くことができます。
詳細は↓をご参照ください。

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企画展 映水「祈り」森田陽咲「私」
絵師・映水氏と娘の森田陽咲氏による合同展示会を開催いたします。

開期:令和4年5月1日(土曜日)~令和4年5月30日(日曜日)
9:30~17:00(ただし、入場は16:30まで、4月18日(日)は15:00まで)
入場料:大人300円 小人200円 (常設展もご覧になれます)
休館中の休館日:毎週月曜日(5月3日は開館)・5月6日(木曜日)

【イベント】
・映水アーティストトーク
日時:5月3日(月曜日)13:00~ 4日(火曜日)11:00~ 5日(水曜日)13:00~
定員:30名
参加費:無料(入場料はかかります)

・森田陽咲アーティストトーク
日時:5月3日(月曜日)11:00~ 4日(火曜日)13:00~ 5日(水曜日)11:00~
定員:30名
参加費:無料(入場料はかかります)

・映水 やさしい写仏~呼吸を使って美しい線をひこう 心を調えよう~
日時:5月3日(月)。4日(火)・5日(水) いずれも14:00~16:00
定員:各回20名
参加費:1,500円(入場料は別途かかります)
(写仏お手本、和紙、道具は全て貸し出します。老眼鏡が必要の方は必ずお持ちください。)
※お坊さんに10分ほどご法話いただきます。
法話担当:3日 横山瑞法 4日 坪井俊裕 5日 近藤玄純