第8回 寺嫁日記 いってらっしゃい!

第8回 寺嫁日記 いってらっしゃい!

こんにちは。

お寺で暮らす人、ひろかです。

コロナ感染対策下の生活になってしばらく、地域や状況で大きく差があるようですね。

みなさんはどんな風に過ごしていらっしゃるのかな、なんて思いながら久しぶりの日記を書きはじめています。

私が暮らしているお寺は朝に坐禅の会を開く日があります。

坐禅の後には季節の野菜を使った精進粥を用意するのが私のお役でしたが、感染防止のためには飲食を避けることが提言されるようになり、開催プランについて再編成することにしました。

(↑2020年2月に用意した季節のお粥)

 

【さぁ!仕切り直し!!】

坐禅会そのものをお休みすることも検討したのですが、不安に苛まれる今だからこそ坐禅を行いたい!という常連さん方の声を支えに、なんとか開催はしよう!と決意できたことがコロナの状況下でとてもありがたかったことのひとつ。

オンラインで行う(テスト会に参加してくれた方々、ありがとうございました)、坐禅会の食事は「食べ物に集中」して無言だから現状維持で良い、坐禅だけ行う・・・いろんなプランを検討しましたがお寺の楽しみ「食事」と感染防止の「安全」のどちらも確保できる「おむすびを持って帰ってもらう」に最も魅力を感じました。

持って帰ってもらうためには装いも重要になりますよね。

昨今おむすびはコンビニなどのいろいろなストアで手軽に求められますが(私もコンビニの鮭おにぎりをこよなく愛しています)、できればお寺のイメージに近い方がいいなぁ、と。

無骨に新聞紙で、カフェ風のオシャレデリパックで、お寺に生えてる葉蘭で・・・思いつく限りを試してみましたが、日本の伝統を感じつつ機能性に優れた竹皮で装うことにしました。

(↑カフェ風と竹皮で包んでみて、みんなで意見交換会)

【いってらっしゃい!】

ディティールが決まり、肝心のおむすびは月替わりで季節感を出すため、用意する者のポテンシャルとその時の気分に大きく左右されます。

できる限りは精進で用意する、という部分だけを決めて後は野となれ山となれ!

シンプルな塩むすび、味噌の焼きむすび、お赤飯、炒り大豆・・・たくさんのお米と美味しい具をむすんでこれたと思いたい。

このスタイルで動き出してからそろそろ一年、楽みながら続けてこられました。

お粥を用意していた時も感じていましたが、こうして何かに向き合える時間は私の心をとても穏やかにしてくれます。

水泳で長い距離を泳ぐ時や絵を制作している時、家事に取り組んでいる時と似ていて、坐禅をしている時にもちょっと似ているような気もします。

(↑2021年4月に用意したさくらご飯とたけのこご飯のおむすび)

 

いただきます、ごちそうさま、ありがとう、おいしかったよ、参禅くださった方々からたくさんの言葉をいただく瞬間は本当に嬉しいです。

私からもみなさんにありがとうの気持ちをを込めてたお見送りを。

今日も健やかに、いってらっしゃい!

 

合掌