連載、はじめます!

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【ドキッ!とした1本の電話】

「お寺のじかん」をご覧の皆様、はじめまして。

浄土真宗本願寺派僧侶の海野紀恵(うんの・きえ)です。

この度「お寺のじかん」で連載させていただくことになりました。

よろしくお願いいたします。

先日、私の実家でもあるお寺に一本の電話がかかってきました。

「海野紀恵さんに質問があります。」と。

私は2007年から2022年まの15年間、放送局でアナウンサーとして働いていました。現在はフリーアナウンサーとして地元・長野県の放送局でラジオ番組を担当させていただいてます。そのため、お仕事関連のお問い合わせかと思い、住職(父)から電話を受け取りました。

電話口は若い男性。お互いに簡単な挨拶と自己紹介をした後、その男性は「アナウンサーとお坊さんの両立って、中途半端にならないんですか?」と切り出しました。

「イタいとこ突かれたー!」(私の心の叫び)

ストレートな言葉に一瞬面くらいましたが、なんてありがたいご縁!と、その後1時間ほどじっくりお話をさせていただきました。

その方にはある夢があり、その夢に向かって今は大学生活を送っているそうです。一方で仏教にも興味があり、将来お坊さんになるという道も考えられているようでした。(ちなみに、この方のご実家はお寺ではないようです。)

大学卒業後、夢である職業に就くのか、それともお坊さんになるのか。

お坊さんの仕事などについて色々と調べているうちに、僧侶であり、アナウンサーでもある私を知ってくださったようです。そして、直接色々質問したい!とお電話をいただいたとのことでした。

私に最も聞きたいことは、

「二足の草鞋では、どちらかが中途半端になり、プロフェッショナルではなくなるのではないか。実際どうなの?」ということでした。

【正直言いまして…】

この電話は、私が、私自身の姿を見直すことができ、本当にありがたいものでした。

そして、

「正直、私は葬儀も法事もお寺での仕事も経験が少ない。アナウンサーとしても完成しているわけではない。だからお坊さんもアナウンサーも中途半端かも知れない。でも私は両方やりたいから、このスタイルで進むしかない!」とお答えしました。(答えになっているのか…)

そもそも、お坊さんって「職業」なのか…とも考えました。

葬儀や法事のお勤めはとてもわかりやすいお坊さんの姿で、大切なものなのですが、それがお坊さんの全てではありません。

私は、アナウンサーという仕事をしているからこそ、仏様の言葉が心にしみた…という経験を何度もしてきました。

これは、私だけでなく、きっと多くのお坊さんが経験されていることだと思います。

皆様がご存知の通り、お坊さんも普通に生活しています。

お肉も食べるし、お酒もいただくし、私は髪の毛もあります。

では、お坊さんになる前となった後で、何が変わったか。

色々とありますが、私は日々仏法を感じ、仏様に感謝することができるようになったところが、一番の変化だと思っています。

【「これって仏教!」を発信します!】

ということで、今後は、私が日常生活のなかで出会った「身近な仏教」をお伝えできればと思っています。

お坊さんになってから、本を読んでも、映画をみても、音楽を聞いても「これ仏教的だわ〜」と思うことが増えました。

また、お寺での日常や、ちょっと気合の入る法要、地域に伝わる仏教的な行事についても取材してお伝えできればと思っています。

よろしくお願いいたします。