御忌大会(ぎょきだいえ)

御忌大会(ぎょきだいえ)

浄土宗功徳院の渡辺です。
今回は御忌についてお話しさせて頂きます。
浄土宗元祖である法然上人の忌日法要を「御忌」といいます。

この「御忌」と言う言葉自体は天皇家・摂関家に連なる人々や祖師・高僧の忌日法要のことを表す言葉なので、浄土宗宗祖法然の忌日法要だけを指すものではございません。

耳馴染みのある言葉では「遠忌(おんき)」と言われる忌日があります。諸宗派の開祖や高僧の50年毎の忌日法要を指す事が多い言葉ですが浄土宗大本山増上寺では遠忌も「大御忌」としています。

御忌大会は浄土宗の各総大本山で行われますが私は芝公園の増上寺で修行をしていたので毎年4月に増上寺へお手伝いに伺います。

増上寺の御忌会では丁場と言われる静岡山梨以東のお寺から唱導師(大本山で門跡、法主に代わって勤める法要の導師)
が選ばれお勤めをする為、唱導師の法類法縁寺院や各寺院の檀信徒の皆様が団体参拝致します。

その為多い時は一回の法要に千人以上の参列があり練り行列は荘厳さは一見の価値があります。

 

行列は
先進—山旗—唱導師—木遣—寺侍—巡検—随喜寺院—聖歌隊—百味講—稚児—会行事—式衆—会奉行—侍者—唱導師—大傘—伴僧—法類随喜寺院—巡検—稚児—総代—寺族—後詰が参加して芝大門を出発して増上寺の山門をくぐる際には日比谷通りも一時的に車を停めて行列を進ませます。境内に行列が入ると大殿前で庭儀式と言われる儀式を行ってから昇殿します。

雅楽が奏でながら入堂し縁山声明(えんざんしょうみょう)と言われる独特な力強い節回しのお経をお唱えしてお勤め致します。

 

 

法然上人には五〇〇回忌以降は遠忌ごとに大師号が加諡(かし)されております。

昭和天皇より七五〇年遠忌に際し加諡されたのが和順大師、上皇様より法然八〇〇年大遠忌の年平成二三年三月一六日午前九時三〇分、羽毛田宮内庁長官を通じて加諡されたのが法爾(ほうに)大師であります。

元禄一〇年(一六九七)円光大師が贈られたのが最初で、以後東漸とうぜん(五〇〇回忌)・慧成えじょう(五五〇回忌)・弘覚こうかく(六〇〇回忌)・慈教じきょう(六五〇回忌)・明照めいしょう(七〇〇回忌)・和順わじゅん(七五〇回忌)・法爾ほうに(八〇〇回忌)
円光東漸慧成弘覚慈教明照和順法爾大師

複数回大師号を贈られているのも戦後に贈られたのも法然上人だけの事です。

 

浄土宗元祖法然上人の御忌会是非一度ご参拝下さい。
毎年4月2日から7日芝増上寺にて行われております。
境内には様々なお店も建ち並び賑やかさも十分です。
(今年はクレープが美味しかった)
来年(令和6年)は開宗850年の節目の年となりますので強く参拝をおススメして結びとさせて頂きます。