【動画】なぜお坊さんは肉を食べてはいけないの?

かなりご無沙汰してしまいましたが、久しぶりのYoutube更新です。

ご覧ください!!

 


肉食(にくじき)

仏教において食はその制限が衣・住とともに戒律に詳細に規定されており、出家生活の基本的要素として重視されたものであることがわかるが、中でも肉食の問題はインドにおいて最も縦横な宗教的意味を持持つ〈アヒンサー〉(不殺生)の思想と不可分であるため、仏教にとどまらない大きな問題として早くから注目を集めるとともに、複雑な変遷を遂げながらインド外の仏教国へと広がっていった。仏教における肉食に対する態度は、条件付き許可から絶対禁止まで、時代と文献によってその振れ幅が大きいが、その背景には呪術・儀礼を中心とするヴェーダの宗教から仏教という倫理的宗教への移行という大きな変化に加え、瞑想修行のための貪欲(とんよく)の排除や肉食に関する社会階層への配慮などの問題が横たわっている。
【肉食忌避の淵源】古代インドにおける肉食忌避の淵源については、正統バラモンのヴェーダの流れに求めるものと、非正統派苦行者・遊行者沙門(しゃもん)の系譜に求めるものの二つの説がある。沙門の流れに発する仏教においても、人為的殺戮を前提とする供犠とその食肉は禁止されており、〈三種浄肉(さんしゅじょうにく)〉(殺されるところを見ない、聞かない、類推できない肉)をはじめとする条件付き受容の許可は、宗教的な意味付けによる意図的殺生拒む目的に沿ったものとなっている。この条件を満たす限り原始仏教においてあらゆる布施を拒まないのが出家者に課せられた義務であり、肉食もその例外ではなかった。

『岩波仏教辞典』より