お彼岸
今年は今月9月20日から26日はお彼岸です。
9月23日が秋分の日(お中日)になります。
お寺豆知識第8回でお彼岸について紹介していますので、今回はお彼岸のお供え物について紹介致します。
山梨県はフルーツ王国なので、9月はぶどうをお供えする家が多い気がします。
3月と9月では季節が違いますので、お供え物も変わりますが、大体お供えされている物があります。
それは「ぼたもち」と「おはぎ」です。
「ぼたもち」と「おはぎ」どっちも同じでしょ?と思っていませんか?
一般的に3月と9月で呼び方が違うのです。
なぜかと云うと、春の3月頃に咲く花は「牡丹」です。
それから春は「ぼたもち」と云います。
秋の9月頃に咲く花は「萩」です。
それから秋は「おはぎ」と云います。
しかし、地域によっては「ぼたもち」「おはぎ」と通年そのまま使うところもあります。
通年で「ぼたもち」と使う例として、
神奈川県の藤沢市に龍ノ口処刑場というのが昔ありました。
日蓮聖人が鎌倉幕府に信仰の誤りを正そうと、『立正安国論』を上呈するも国家への反逆とみなし1271年(文永8年)9月12日に捕らえられ龍ノ口処刑場に向かう途中に、源頼朝が行っていた「千羽鶴の放生会」を観覧する桟敷に住んでいた老婆が日蓮聖人に「ぼたもち」を「仏のご加護がありますように」と捧げられたそうです。処刑場について9月13日に差し掛かる時間に、刑が執行されそうになったが伝承によると太刀取り役の武士の目がくらむほど光りが発し振り上げられた刀が折れ刑の執行が取り止められたと伝わっています。
桟敷の老婆が住んでいた地に常栄寺は「ぼたもち寺」とも云われています。
話は戻りまして、
あんこが「こしあん」と「つぶあん」には諸説ありますが、「ぼたもち」は「こしあん」と云われることが多いですが、秋に採れた小豆を使うため、保存している期間が長いので小豆の皮が硬くなることから皮を取り除くので「こしあん」と云われます。そして「おはぎ」は「つぶあん」と云われるのは、秋に収穫したての小豆を使うため、小豆の香りもして皮も柔らかいので皮ごと潰して食べるので「つぶあん」と云われていますが、基本的には同じ物です。
牡丹の花にも、萩の花にも魔除け・病除けという意味があるそうです。
先ほど、例にだした「ぼたもち」を供養してもらったことにより日蓮聖人は魔除けの効果があったのかもしれません。
お彼岸には魔除け・病除けとして「ぼたもち」や「おはぎ」を食べてみては如何ですか?