曹洞禅について

曹洞禅について

山梨市牧丘町にある西源寺住職若月和道と申します。

曹洞宗の禅についてお伝えさせていただきます。

 

曹洞宗、臨済宗、黄檗宗の3つの宗派をまとめて「禅宗」と呼ばれているいます。

禅宗の中の1派ということになります。

 

本山は、福井県にある「永平寺」と神奈川県横浜市鶴見区にある「總持寺」です。この2つの本山を両本山としています。

大本山永平寺

 

大本山總持寺

 

曹洞宗の宗祖は道元禅師(どうげんぜんじ)と瑩山禅師(けいざんぜんじ)のお二人を両祖としています。

なぜお二人かと申しますと、道元禅師はみずからが伝えた教えこそが釈尊(お釈迦様)の説いた法だとして宗派を立てませんでした。あえて曹洞宗と言わなかったのです。

道元禅師から4代目の瑩山禅師が曹洞宗教団の基礎を築き、その教えが広まったのです。

道元禅師が「教義面」、瑩山禅師が「教団面」を日本に定着させたことから、お二人を両祖と仰いでいるのです。

 

禅は仏教以前に、インドで行われていた伝統的な精神統一、瞑想のことです。

お釈迦様は、菩提樹の下で瞑想、つまり坐禅をして悟りを開かれました。その後、禅は多くの弟子を通じ、やがて達磨に受け継がれ禅を中国に伝えました。

菩提達磨大和尚

 

以下は菩提達磨からの系譜です。

菩提達磨(インドから来た中国における初祖)ー大祖慧可ー観智僧璨ー大醫道信ー大満弘忍ー大鑑慧能(臨済宗・曹洞宗など禅宗の師となった)ー青原行思ー石頭希遷ー薬山惟儼ー雲巖曇晟ー洞山良价ー雲居道膺ー同安同丕ー同安観志ー梁山縁観ー大陽警玄ー投子義青ー芙蓉道楷ー丹霞子淳ー長藘清了ー天童宗珏ー雪竇智鑑ー天童如浄(道元禅師の師)道元禅師が曹洞宗を日本へ伝える

 

曹洞宗の教義は「只管打坐(しかんたざ)」です。「ただ坐禅をせよ」と教えています。

悟りを開くために坐禅をするのではなく、坐禅する姿そのものが悟りのあり方であるのです。坐禅は悟るための手段ではないのです。

人は目的を持った時に迷います。目的を持ち、それを達成しようとすると努力することは大切ですが、思いどおりにならない時、私たちは迷い苦しみます。

迷わない心とは、思いどおりにしようと思わない心なのです。

坐禅は何かを目的とするものではありません。「ありのまま」を表現するために行うのです。仏の心を表現するのが坐禅です。

「生活禅」という言葉もありますが、食事をいただくこと、食事を作ること、掃除をすること、排せつをすること、お風呂に入ること、歩くこと、睡眠をとること、お経を読むこと、すべてが坐禅の姿なのです。

おこたることなく、頂戴している命を精一杯生きるのです。

 

「修行と悟りとは別ではなく一体である」これを「修証一如(しゅうしょういちにょ)」と言いますが、これが受け継がれてきた禅の心なのです。

 

 

 

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