第2回 SOCIAL TEMPLEってなんだろう?

第2回 SOCIAL TEMPLEってなんだろう?

【第2回 SOCIAL TEMPLEって何だろう?】

(一社)SOCIAL TEMPLE代表理事、近藤玄純です。

第2回になりましたこの連載ですが今回は2017年、平成29年の「未来の住職塾第6期甲府クラス」開設からお話ししていきます。

第1回はこちらからどうぞ。

「未来の住職塾第6期甲府クラス」

未来の住職塾とは第1回でもお話しした通り、私たちお坊さんは大学では仏教の勉強はするが法人を預かる住職として経営の勉強はしていないという所から立ち上がったお坊さんやお寺関係の人のための経営塾です。

山梨県で卒業生は私1人という現状を何とかしないとと思った私は塾長の松本紹圭さんに相談し甲府クラスを開設することにチャレンジすることとなりました。

 

△坊主道主催第1回研究会「これからのお寺づくりセミナー」の様子 写真は「未来の住職塾」塾長、松本紹圭師

 

平成28年12月、坊主道主催で「これからのお寺づくりセミナー」と題し、塾長である松本紹圭さんに山梨にお越しいただき勉強会を開催しました。


▲坊主道主催の第1回研究会 「これからのお寺づくりセミナー」での記念写真

ここから甲府クラス開設のため奔走することになります。

中には「近藤さんが講義すれば良いんじゃないですか?」という有難い申し出もありましたが、しっかりとお断りし入塾してくれる人々をお声がけしていきました。

横のつながりの中でたくさんの方をお誘いしました。

「お寺は信仰する場所で経営やビジネスをする場所では無い」とお叱りを受けることもありました。

経営とは元々仏教用語で「経」は教典でお経(教え)のこと。

「営」はその縦糸である不変の教え(経)を元にどのように営むか(生きていくか)の意味ですので本来は敬遠するような言葉ではありません。

長年使用している言葉のイメージは恐ろしいもので人間の行動すら容易く制限をかけてしまいますね。

皆様のご協力のおかげで、山梨県内や長野県からの16名の受講生にて開設が決まり平成29年5月より「未来の住職塾第6期甲府クラス」がスタートしました。

当時の坊主道メンバーは全員入塾することになりました。

多種多様な宗派の違い、お寺とはどのように運営するべきなのかなど皆で学びあいながら深めていきました。


△学びの様子。ワークショップを行いながらお寺の見えざる価値や使命、住職としてのリーダーシップなどを学びます。

▲皆で寺行計画書のプレ発表をしてから本発表に臨みました。

平成30年1月には「寺業計画書」という運営計画書を策定し発表し卒業となりました。

△「寺業計画書」発表の一コマ。

それぞれ自分のお寺と一年間徹底的に向き合い、関係者(お寺の家族やお檀家さん、地域の人々)から聞き取りをしながら「寺業計画書」を書き上げます。

私自身も坊主道の活動の端緒は自身の計画書に書き記していました。

この学びは他寺院を見るときも見方が変わりSOCIAL TEMPLEのプロジェクト「お寺の活性化計画」でも発揮されています。

【発足1年目の坊主道の活動】

一方、坊主道の活動は、というと月一回メンバー寺院を周り、皆で法要をし活動を話しあう定例会を開催していくことになります。


▲メンバー寺院である妙秀寺での定例会の一コマ

また未来の住職塾塾長の松本紹圭さんのセミナーを皮切りに研究会と称し、お坊さん向けの勉強会も開催していきました。


△考古学的観点から現代の埋葬を問い直す「散骨はすべきではない」の著者、笛吹市遠妙寺住職、長澤宏昌さんにお越しいただき埋葬の歴史をご講義いただいた時のもの。

坊主道も活動の三本柱として「布教・運営・研究」をテーマにしました。

「布教」社会と仏教の接続を考え「生き方」としての仏教を社会貢献として表し活動していきます。
「研究」仏教とは何かを深く学び、現代社会に合った形で再提示し実践すべく研究していきます。
「運営」これからの寺院と僧侶のあり方を見つめ直し、寺院と僧侶を現代社会において価値あるものとして再提示します。

この三本柱は社会の皆様とのお約束でもあり、私たちの誓いとして今も生き続けています。

【寺GO飯の息吹】

また寺GO飯の構想も平成29年3月から始まります。

翌月の4月には現在のSOCIAL TEMPLE理事で寺GO飯実行委員長の山田と共に「横浜てらこや食堂」に視察に行きました。


▲全国てらこやネットワーク主催の「横浜てらこや食堂」 横浜市 常照寺

いろいろな形を模索しながら関わってくれる人たちに声がけして平成29年11月には第一回の寺GO飯開催に漕ぎ着けました。

次回は「寺GO飯」を始めた経緯からお話していきます。