第10回お寺豆知識 地域の仏教〜OKINAWA風先祖供養〜

第10回お寺豆知識 地域の仏教〜OKINAWA風先祖供養〜

【みなさん、沖縄の先祖供養って知ってますか?】

坊主道メンバーの韮崎市本照寺副住職、坪井俊裕と申します。

私ごとでありますが先日、副住職を勤める本照寺にて結婚式をあげました。

そして新婚旅行ということで沖縄に行ってきました。

そこで見た沖縄の先祖供養が非常に興味深く、今回の「お寺豆知識」ではその事について書いてみたいと思います。

 

綺麗な海に囲まれた素晴らしい場所であっという間の新婚旅行でした。

 

【沖縄のお墓】

沖縄の街を走っていると畑の中や海沿いの崖に大きな石の家のような建物があります。

みなさんこれが何かわかりますか?

これはお墓です。

沖縄のお墓は家のように大きな造りをしています。

沖縄では昔、風葬(ふうそう)の風習がありました。

遺体をそのまま安置して、自然に戻す方法であったため、遺体の周りに石を積み上げていました。

その名残が現代の家(もしくはお蔵)のようなお墓の形になっています。

沖縄に嫁いだ長男の嫁の最初の仕事はご先祖様のご遺骨を洗うなんて話も聞いたことがあります。

現在は後継の問題や費用の問題からコンパクトなお墓を選ぶ人も増えているようです。

 

 

【沖縄はお墓で宴会】

街の電光掲示板に「4月5日から清明祭のため交通渋滞あり」

地元テレビCMで「清明祭までもうすこし!」といった表記や映像を何回もみました。

なにかのお祭りだと思いませんか?

しかし!

実はこれ、二十四節気の「清明」の期間に清明祭(シーミー)という先祖供養を行う沖縄の伝統行事です。

男性がお墓の周りの草取りなどを行い、女性が重箱やお酒を用意します。

家族、親族とともにお墓参りをしたあと、ビニールシートを敷いてピクニックのようにご馳走を頂きます。

 

このようにたくさんのご馳走を頂き、みんなの近況報告や世間話をするそうです。

私の沖縄出身の友人は毎年必ず、お盆や清明祭(シーミー)には仕事を休んで沖縄に帰り、先祖供養をしていました。

沖縄の宗教は先祖崇拝が根幹を成すものなのです。

【先祖または家族と私】

今、この記事を読んで頂いている皆様はどうでしょうか。

お盆やお彼岸に先祖供養をしていますか?

私たちひとりひとりには親がいます。

祖父母がいます。

曾祖父母がいます。

10代遡ると1024人のご先祖様がいらっしゃいます。

このご先祖様の一人でも欠けていたなら今の〝私〟は存在しません。

このようにたくさんの方々のバトンタッチ〝命のリレー〟があり今の私たちがいます。

 

改めて自分の「命」をみつめてみませんか。