万が一のことを家族と話すコツ
【そんなつもりじゃないのに・・・】
SOCIAL TEMPLE生涯サポート事業部の小澤です。
私は普段、やまなし自宅葬儀社でお葬式の仕事をしていると以前にお伝えいたしました。
そのやまなし自宅葬儀社ですが、お葬式だけではなく終活にも力を入れています。
さて、以前「お葬式は、旅立つ大切な人への「最後のプレゼント」」というタイトルでお寺のじかんに記事を寄せました。
その中で「万が一のときのことを家族と話すコツ」を次回…。と書いたので、今回はそれについて書きたいと思います。
【親や家族の終活がうまくいかない】
私は終活ノートの書き方セミナーを年に数回開催しています。
そこで参加してくださった方からよく耳にすることがあります。
それは
・「終活ノートを書いて」と言ったら喧嘩になった。
・生前整理で片付けを始めたけど結局捨ててくれない。
・「後継がいないからお墓のことを考えよう」と言ったら「まだ早い」と言われた。
など、いわゆる「終活」を提案すると争いが起きてしまうということです。
その原因は、
・戦後の物が少なかった時代を必死に生き抜いてきた世代の人たちとの価値観の差。
・終末について考えることへの漠然とした不安。
・日々の生活で精一杯。
これらが考えられるのではないかと思います。
【対策は?】
ではここからはどうしたらそれが避けられるかをお伝えしましょう。
まず、ご両親や家族に終活ノートを書いてもらいたいときは、聞き取りから始めましょう。
「お母さんの名前の由来ってなに?」
「お父さんは子どもの頃どんなことして遊んだの?」
「今までどんなところに旅行に行った?そこでの思い出は?」
このように今までの人生を棚卸することから始めると和やかに会話を進められます。
片付けをしてもらいたいときは、
「同じものがいっぱいあるけど、どれを残す?」
「これってどう違うからいっぱいあるの?」
と尋ねてみましょう。
あなたにはいらないもの、なぜ複数あるのかわからないものであっても、本人にとっては必要なものということもあります。
ちなみに、この写真は私の父の刈払機コレクションです。
ここに写っていないものもあるので10本超えていると思います。
私にはなぜこんなにたくさんあるのかわかりませんが、父にとっては「父親の形見」「◯◯用」など、1つ1つに捨てない理由があります。
他には家の中の危険箇所を探し、その対策を一緒にすることも効果的です。
階段の手すりや滑り止めの対策、つまづきやすいカーペットの対策。
こんなことを家族で話しながら一緒に対策することで、次のステップ(=終活)に進みやすくなります。
【忘れがちな大切なこと】
そしてこの他にも大切なことがあります。
それは「あなたはしているのか」ということです。
・終活ノートを毎年書いていますか?
・整理整頓できていますか?
まず自分がすることで、誰かにもお願いや提案がしやすくなりますよね。
【最後に】
「先ず臨終の事を習うて後に他事を習うべし」は日蓮聖人のお言葉です。
悲しいことに、人間誰しも平等に生涯を終えるときがきます。
そしてそのときはいつ来るのかわかりません。
元気なうちに、「まず」終わりを考えて対策をしておくことで、自分にとっても大切な人にとっても、より自分らしく幸せな日々を過ごせるのではないかと思います。